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【どっちを選ぶ?】シャインカービング彫刻刀S,A各グレードの違いと選び方を説明します

皆さんこんにちは!

シャインカービングアカデミーの田中淳也です。

 

突然ですが皆さん、シャインカービング用の彫刻刀の選び方、知っていますか?

結構たくさん彫りこんでくれているシャインカーバーさんでも、自信を持って答えられる人は多くないのではないでしょうか?

 

そこで今回は、意外と知らないシャインカービング彫刻刀のグレードS(スタンダード)A(アドバンスト)の違いについてご紹介したいと思います。 

 

 

この記事で学べること

・シャインカービング彫刻刀S/Aグレードの特徴や違い

・あなたがどちらの彫刻刀を購入するべきか

 

 

それでは、はじめていきましょう!

シャインカービング用彫刻刀セットの2つのグレード

シャインカービング用の彫刻刀セットには、2つのグレードが存在します。(2020年3月現在)

↑S(スタンダード)グレードと

↓A(アドバンスト)グレードです。

黒染め塗装をしてある方がS、銀色の方がA、と見分けがつきやすいようにしてあります。

価格はそれぞれSが2本で¥700Aが2本で¥1400(税込)。

永く使うことのできる道具としては僕自身どちらもそこまで高額ではないかな、と思います。

ただ、初めてシャインカービングの道具を揃えようと思っている方にとっては、この価格差、どちらにしようか結構迷ってしまいますよね。

グレードの違いは材質の違い

まず、各グレードで最も大きな違いは

刃の材質が違う

という点です。

それぞれの材質は、

S(スタンダード)が全鋼製

・A(アドバンスト)が二層鋼製

となっています。

なんか専門用語が出てきてクラクラしてきましたね。

 

この二つの材質についてすごーく簡単に説明すると、

全鋼製(S)の方が安価、中品質。二層鋼(A)の方が高価、高品質。

ということになります。

それ以外の利点としては、

A(アドバンスト)グレードの方がお手入れ(研ぎ直し)が遥かに楽

というものがあります。

 

二層鋼のイメージ:義春刃物の説明記事より

各材質の違いについては、義春刃物の公式ブログ記事「全鋼と二層鋼の違い」に非常にわかりやすくまとめてありますので、これらの材質に興味がわいた方は是非リンクをクリックして読んでみてください。

三角刀の違いは「切れ味」と「見やすさ」

さて、材質の違いについてご理解いただいた上で、次は彫刻刀の刃先の違いについて説明していきますよ!

S、Aそれぞれの三角刀について

↑の画像の左側がS(スタンダード)、右側がA(アドバンスト)三角刀です。

ぱっと見違いがあまりわかりませんよね。

まず、材質の違いによって、切れ味が違います。

二層鋼で作られたA(アドバンスト)グレードの方が刃先の食い込みが良く、グイグイシートを彫り進めていくことができます

一方、全鋼製のS(スタンダード)も、十分シャインカービングを楽しむことができる切れ味を持っています。刃先の食い込みが少なくなるので、細い線を彫りたい方にはこちら(Sグレード)の方がやりやすい、という方がいるかもしれません。

 

また、刃先部分をよーーーく見比べると、Aの方が横が細くなっているんです。わかりますか?

 

これ、彫っている最中に黒線がより見やすくなるようにサイドを削ってダイエットさせているんです。

Aグレード三角刀の刃先。ダイエットしてます

本当に微妙な差(自己満?)なのですが、僕がどうしても譲れなかったこだわりポイントになっています。

先が細く見えるので、細かいラインを彫る際にスタート地点を定めやすいのもGoodです。

丸刀の違いは「楽に彫ることの出来る範囲」

お次は丸刀の比較ですね。

↑の画像の左側がS(スタンダード)、右側がA(アドバンスト)三角刀です。

どちらの彫刻刀も、通常の丸刀と比べて刃先が丸みを帯びていませんか?

 

通常の丸刀の形状。

これ、実はシャインカービングの仕上がりを良くするためなんです。

先が丸く加工されているため、黒線を傷つけずに彫りやすくなっています。

(この丸刀の刃先形状については、後日深彫りして説明したいと思います。)

さて、話を戻してそれぞれのグレードを比較しましょう。

丸刀も、切れ味はA(アドバンスト)グレードに軍配が上がります。やはり二層鋼は切れ味が良いですね。

そのほかに、A(アドバンスト)の刃先にはもう一つ秘密があります。

それは、

刃先が二種類の刃型を合体させた形状である

という点です。

Aグレード丸刀で彫った彫り跡

軽い力で広い範囲を彫ることができるような工夫が施されているんです。

(この形状についての詳細も、別記事で開発秘話をご紹介予定です。)

 

どちらのグレードの彫刻刀がおすすめ?

SとAの違いを簡潔にまとめると、

S(スタンダード):安価(二本で¥700)、標準的な使い心地、砥ぎ△

A(アドバンスト):やや高価(二本で¥1,400)、抜群の使い心地、こだわり、砥ぎ○

 

以上の比較から、あなたにおすすめの彫刻刀は・・・

 

・とりあえずシャインカービングを試してみたい方→S(スタンダード)

・予算を抑えてシャインカービングを楽しみたい方→S(スタンダード)

・砥ぐほど興味が長続きするかわからない方→S(スタンダード)

・シャインカービングにハマった方→A(アドバンスト)

・Novice Shinecarverや先生を目指す方→A(アドバンスト)

・彫刻刀を楽にお手入れしたい方→A(アドバンスト)

・道具への投資を惜しまない方→A(アドバンスト)

・アカデミー長のこだわりを感じたい方→A(アドバンスト)

 

こんな感じです!

ちなみに僕はA(アドバンスト)を愛用しています。

 

道具の選び方は人それぞれ。楽しみ方も人それぞれ。

シャインカービング用彫刻刀の違い、ご理解いただけたでしょうか?

 

道具というものは、材料や工程の複雑さによって価格に差が出てしまいます。

でも、必ずしも良い道具を使えば良い、という訳ではないと僕は考えます。

使い手の目的に合った道具を選ぶこと

これが一番大切です。

ご家庭に元からある木彫り用彫刻刀で楽しむもよし、

こだわりが詰まった彫刻刀で楽しむもよし、

 

皆さんがシャインカービングを没頭して楽しむことの出来る時間を過ごしていただけることが、僕の願いです。

 

それではまた明日。

 

アカデミー長、田中淳也でした。